福井県敦賀まつりで市街地を巡行する山車に関する企画展示「つるがの山車は"宝のヤマ"~山車総合調査報告展」の第3期が12月12日まで、敦賀市みなとつるが山車会館で開かれている。「華麗なる山車の装具(2)~武者人形を飾る装飾品」と題し、敦賀の山車の主役である武者人形がまとう甲冑(かっちゅう)や能面など21点を並べている。
山車の武者人形は江戸時代以降で歴史を感じさせる甲冑が好まれた"本物志向"が特徴。「朱伊予札緋糸威(しゅいよざねひいとおどし)二枚胴具足」は鮮やかな朱色の胴に、後付けされたものとみられる金色の竜の装飾が目を引く。かぶとも実際の戦闘に用いる重い鉄かぶとで、古い金具と新しい部品を組み合わせているという。
金色のネズミの飾り物をあしらった具足の袖は、やや小ぶりのため、武者人形のために作られたとみられる。能面「平太」は、重いかぶとをかぶせて山車を巡行させるため、頭部の彩色に傷みがあり「本来の使い方とは異なる用い方をしている宿命。ある意味とてもぜいたくな使い方をしている」と紹介されている。
企画展示は全5期。19日から来年1月30日までの4期では胴幕など染織品を展示する。
入館料300円。問い合わせは同館=電話0770(21)5570。