開発中の製品を中間発表する若手職人=12月13日夜、福井県越前市役所eホール

開発中の製品を中間発表する若手職人=12月13日夜、福井県越前市役所eホール

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越前和紙、越前打刃物、越前箪笥を新感覚で...伝統工芸の若手職人のチャレンジ 福井県越前市

福井新聞(2021年12月15日)

 福井県越前市のクラフトマーケット「千年未来工藝祭」の新企画として越前和紙、越前打刃物、越前箪笥(たんす)の若手職人が、ユーザーとの交流を通じた製品開発に挑戦している。廃材の活用をテーマに、自らの個性を生かした製品を生みだそうと試行錯誤を重ねており、13日夜の中間発表で専門家らの助言を受けた。

 「Thousand Next Takumi CoNEXTion Project」(サウザンド ネクスト タクミ コネクション プロジェクト=TNCP)と銘打った企画で、市内3産地でものづくりを志した20~30代の8人が活動している。今年8月の千年未来工藝祭で出展予定だったが、新型コロナウイルスの影響でリアル開催が中止に。代わりに11月に福井市で開かれたイベントに参加し、来場者との触れ合いからニーズを探って製品開発を進めてきた。

 中間発表は市役所eホールで行われた。小柳箪笥店(武生柳町)の若月さんは、普段は使えない皮付きの木材で「素材を生かした一点物」のティッシュボックスを試作。皮のすき間からティッシュを取り出すデザインを披露した。山本打刃物(余川町)の山本さんは刃物を素材にしたギターピックとピアス、五十嵐製紙(岩本町)の古澤さんは和紙の風合いを生かしたポーチなどを発表し、製作に込めた思いを語った。

 映像・音楽制作や製品デザインを手掛けるクリエイターチーム「ペリメトロン」(東京)のメンバーらがアドバイザーを務め、商品化の可能性や改善のヒントを鋭く指摘。「いろんな産地の若手の個性が表れていて面白い」と取り組みを評価していた。

 参加職人は、助言を踏まえてさらに試作を重ね、来年の千年未来工藝祭で製品を発表する予定。リーダーで箪笥職人の小柳さんは「アドバイスを開発につなげて、より良い物をお客さまに届けたい」と意欲を高めていた。

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