羽咋市の気多大社で16日、神前に放ったウミウ「鵜様(うさま)」の動きで新年を占う国重要無形民俗文化財「鵜祭(うまつり)」が営まれ、「慎重に進むべき」とのお告げが出された。神事は3年ぶり、コロナ下では初めてで、関係者は伝統継承に安堵(あんど)した。
午前3時に神事が始まり、鵜様を七尾市鵜浦(うのうら)町から運んだ鵜捕部(うとりべ)と神職との問答の後、鵜様が国重要文化財の本殿に放たれた。一対のろうそくがともる中、鵜様は周囲を見回すような動きをした後、「案」と呼ばれる台に飛び乗った。
鵜様が慎重な動きを見せたことで、松尾孝夫名誉宮司は「2年間、鵜が捕獲できなかった。慎重に進むべきである。そうすれば光が見えてくる」と読み解いた。神事を終えた鵜様は近くの一ノ宮海岸で放たれた。
松尾名誉宮司は「3年ぶりに開催できたことにほっとしている」と話した。