原村役場で見つかった津金隺仙の書

原村役場で見つかった津金隺仙の書

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津金隺仙の書、故郷で発見 原村出身の書家、年明けにも展示

信濃毎日新聞(2021年12月21日)

 日展の審査員を務めた原村出身の書家、津金隺仙(かくせん)(1900~60年)の書が、村役場の倉庫で見つかった。1952(昭和27)年に書かれ、原小学校に飾られていたといい、工事に伴って役場の倉庫に移され、眠っていたとみられる。村は「大変貴重なもの」として補修。写真や解説パネルを付け、年明けにも役場の講堂に展示する予定だ。

 半折に大きく「温故知新」と記し、その下に複数の漢字が書かれている。諏訪湖のほとりの塾で、夜に花の香りを感じながら創作する様子を表現しているという。

 寉仙は独学で書を学び、1940(昭和15)年に東京で「凌雲書院」を開設して創作活動を展開。四男の孝邦(よしくに)さんも同じく書家として活躍し、今年9月に亡くなった。作品は「重要物品」として倉庫に保管されており、今秋、村が倉庫整理の際に見つけて補修、額に収めた。

 孝邦さんが会長を務めた書道団体「凌雲会」の会員でもある村職員牛山省吾さん(56)はこの書について「どっしりとした落ち着きがあり、文字や落款のバランスが素晴らしい」と"発見"を喜ぶ。村総務課は「これを機に住民に村出身の書家を知ってもらえるようにしたい」としている。

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