日本酒やリキュールをトンネル内に搬入する黒龍酒造の社員=17日、永平寺町志比の永平寺ダム

日本酒やリキュールをトンネル内に搬入する黒龍酒造の社員=17日、永平寺町志比の永平寺ダム

福井県 福井・永平寺

ダムで日本酒熟成すると...黒龍酒造と福井県が実験開始、数年から30年ほど

福井新聞(2021年12月25日)

 黒龍酒造(福井県永平寺町松岡春日1丁目、水野直人社長)は12月17日、県と連携し、永平寺ダム(同町志比)内のトンネルで日本酒を貯蔵・熟成する実験事業を始めた。ダムを活用した日本酒の貯蔵は県内では初めて。

 永平寺ダムは大本山永平寺から南東約1キロにある県管理の治水ダム。地質調査のために掘られ長らく倉庫として使われてきたトンネル内部に、酒を貯蔵した。黒龍酒造によると、内部の温度は年間を通して約12~14度と一定で、香りの変化や変色の原因となる紫外線がほとんど入らないことから、長期熟成に適しているという。

 同酒造と県は11月末に貯蔵管理や販売に関する覚書を締結。17日、720ミリリットル入りの日本酒やリキュール計1300本をトンネル内に搬入した。今後、熟成具合を確かめながら数年から30年ほど貯蔵する計画で、熟成の経過が良ければ貯蔵酒を増やす予定という。

 水野社長は「味わいは未知数だが、空調を使った人工的な熟成とは違ったまろやかさが生まれることを期待する。福井、永平寺を対外的に発信する大きなチャンスになる」とし、県内観光客に向けた販売を視野に入れている。

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