●操業自粛要請が影響
石川県漁協の中型イカ釣り船の今季最後の水揚げが28日、能登町の小木港で行われ、スルメイカ約50トンを陸に揚げた。県漁協小木支所によると、全11隻の1隻当たりの水揚げ量は約207トンで、昨季の約179トンより15%増えたが、ピーク時の半分にも満たず、厳しい状況が続く。
水揚げをしたのは17日に帰港した第86永宝丸で、船内から冷凍された「船凍(せんとう)イカ」が運び出された。今季は8隻が6月から、3隻が7月から日本海で操業し、12月中旬に1月末までの漁期を残して漁を終えた。
小木支所によると、支所の28日までの総水揚げ量は2555トン。2月までに県外船の水揚げがあり、今季は昨季の2232トンを上回る約2600トンとなる見通し。2019年度は1568トンで過去最低だった。
今季は7~9月は好調だったが、11月に入ってイカがとれなくなった。大和堆(やまとたい)周辺の一部にしかイカが見当たらず、外国漁船の違法操業で資源量が減少しているとみられる。大和堆西側の日本の排他的経済水域(EEZ)内では外国船出没のため、水産庁が断続的に操業自粛を求めたことも水揚げ減に響いた。
支所の白坂武雄参事は「国には違法漁船の取り締まりを徹底するとともに、自由に操業できる環境を整えてほしい」と話した。