福井県敦賀市立博物館とみなとつるが山車(やま)会館は1月4日、虎を題材にした所蔵絵画や水引幕の新春特別公開を始めた。両館では「寅(とら)年に、虎を見に来てほしい」としている。
博物館では絵画2点を展示している。京都画壇の一大勢力、岸派の創始者、岸駒(がんく)の「猛虎図」(江戸中期)は墨の濃淡で描いたフワフワとした毛並みの質感と、首をかしげた愛嬌(あいきょう)のある表情が特徴的。一方、敦賀出身で江戸期の画家、中村西渓(せいけい)の「猛虎図」(江戸後期)は肩を怒らせて爪を立て、威嚇するように歯をむき出しにしたどう猛な姿を描いている。
学芸員は「魔よけの力もあるとされる虎の絵を見て1年の無病息災を願ってもらえたら。(二つの絵の)個性の違いも楽しんでほしい」と話している。1月10日まで。
山車会館では、幅215センチ、縦61センチの水引幕「二十四孝 楊香図」を紹介している。1945年の敦賀空襲での焼失を免れた市指定文化財の金ケ辻子(かねがずし)山車に、2011~12年まで飾られていた。立体的な刺しゅうで、身をていして父親を虎から救ったとされる楊香の物語を表現している。
1月30日まで。11、17、24日休館。期間中の土日にはバックヤードツアーがあり、会館に保管されている山車に飾られている水引幕の見学ができる。午前11時と午後1時半からの2回。