和菓子の材料などに重宝される宝達志水町特産「宝達葛(くず)」の今季の生産が11日、同町宝達葛会館で始まり、生産友の会の4人が宝達山系の伏流水に漬けた葛の根を踏み、デンプンを搾り取る作業に励んだ。2月下旬までに約350キロを生産し、自然乾燥させて4月中旬からJAはくいや町内の菓子店で売り出す。
会員は、機械で砕いた葛の根をスギ製の桶(おけ)で冷水に漬け、すのこの上で踏んで汁を搾り出した。水を何度も取り換えながら不純物を取り除き、純白の葛粉に仕上げる。今季は町の補助金で桶三つが新調された。
材料となる葛の根は近年、県外産に頼っており、今季も九州産の約4トンが使用される。佐藤勝治さん(78)は「ミネラル豊富な宝達山の水を使うことで、きめ細かい製品ができる。1年でも長く伝統を守っていきたい」と話した。