江戸時代の雪国の暮らしや文化を伝える鈴木牧之の「北越雪譜」の世界をアートで表現した企画展が、新潟県十日町市本町6の越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)で開かれている。「北越雪譜アドベンチャー」と銘打ち、昼だけでなく、通常は閉館している夜の時間帯にも作品鑑賞を楽しんでもらう。
「大地の芸術祭」の冬企画「SNOWART(スノワート)」の一環で、同館が主催。昼は雪国の暮らしを体感する遊び場として楽しんでもらい、夜は「ナイトミュージアム」としてライトアップした幻想的な作品を鑑賞してもらう。
芸術祭に参加経験がある作家4組の協力を得て、計6作品を用意した。
そのうち、来場とともに目に入るのが「雪上ディスカバリー」だ。美術館の回廊に囲まれた中庭に積もった雪を活用。北越雪譜に記された暮らしぶりを現代的なアトラクションに変換し、雪上の遊び場にした。当時の羽根突きや卓球、玉転がしなどが楽しめる。
手掛ける横浜市の美術家、原倫太郎さん(48)は「北越雪譜のエピソードを体験できるようにした。ぜひ遊んでみて」と話す。
原さんの作品の上空のスペースを活用したのは、京都市の美術家、髙橋匡太さん(51)。「天空の花畑」と題し、電飾を仕込んだいくつもの浮輪を空に配した。夜に鑑賞する作品で、ライトアップさせて雪の結晶を表現する。5分ほどの演出を繰り返すといい、髙橋さんは「下から見上げたり、美術館から見下ろしたり、好みの場所も探してほしい」としている。
雪国には欠かせないスノーダンプの成り立ちを見せる作品や、みのをかぶった人形を操作してサッカーゲームを楽しむ全長約16メートルの巨大アトラクションも並ぶ。常設展示も鑑賞でき、同館の芝山祐美さん(34)は「北越雪譜をテーマにした企画は初の試み。いつもとは異なる夜の美術館と合わせて楽しんでほしい」としている。
3月13日まで。ナイトミュージアムは期間中の土日祝日の午後4時半〜8時。火、水曜休館。大人1200円、小中学生600円、昼と夜に1回ずつ入場できる。スノワート共通パスポートも利用可。問い合わせは同館、025(761)7766。