店内に展示されたひな飾り=金沢市大樋町

店内に展示されたひな飾り=金沢市大樋町

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前田家ゆかり、ひな飾り華やか 金沢市のやちや酒造【石川県】

北國新聞(2022年2月5日)

 加賀藩とゆかりが深い「やちや酒造」(金沢市大樋町)で4日、前田家16代当主利為(としなり)侯爵の菊子夫人が輿(こし)入れの際に持参したひな飾り「紫宸殿雛御殿(ししんでんひなごてん)」の展示が始まり、来場者が華やかなひな人形に見入った。

 約140年前に製作されたひな飾りは幅約1・8メートル、高さ、奥行きが約1・6メートルで、最上段には京都御所を模した紫宸殿が設けられている。紫宸殿は檜皮葺(ひわだぶき)の重厚な造りで、御簾(みす)の奥に内裏びなが鎮座する。衣装箱などは黒漆に蒔絵(まきえ)が施されている。

 ひな飾りは菊子夫人の長女酒井美意子さんに受け継がれ、1999年に酒井さんが亡くなった後、親交のあった、やちや酒造の神谷ますみ会長に譲られた。以来、毎年、飾られている。

 神谷会長は、新型コロナの流行に触れ「多くの人が暗い気持ちになりがちな中、ひな飾りを見て、ほっと和やかな気分になってほしい」と話した。

 展示は4月2日までで、鑑賞できる時間帯は月、水、金、土曜は午前10時~正午と午後1~4時。火、木曜は午後1~4時となる。

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