穴水町中居地区で、冬の高級珍味「コノワタ」作りが進んでいる。中居南の森川仁右ヱ門（じんうえもん）商店では８日、近所の主婦たちが原料のナマコをさばいて内臓やエラなどを取り出す作業に精を出した。

　主婦３人が、いけすで泥抜きしたナマコの腹を割いて腸や卵巣、精巣などを出した後、店主の森川仁久郎さん（７６）が杉箸を使う伝統の手法「箸掛け」で腸の中の異物を除き、塩漬けにした。金沢市中央卸売市場などに出荷する。

　中居地区で生産される高品質のコノワタは加賀藩に献上された。森川さんはナマコの卵巣と精巣を干す高級珍味「クチコ」作りも始めており、「昔からの製法を守り、いいものを作りたい」と話した。作業は３月末まで行われる。