初公開されるひな人形=金沢くらしの博物館

初公開されるひな人形=金沢くらしの博物館

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加賀藩ゆかり? ひな人形を公開 13代斉泰時代の作

北國新聞(2022年2月12日)

 加賀藩13代藩主の前田斉泰(なりやす)の時代に当たる1830年代に、金沢城で乳母(うば)をしていた女性と関係のあるひな人形が金沢くらしの博物館で初公開される。博物館によると、人形は1800年代前半に作られたとみられ、藩ゆかりの可能性もある。博物館所蔵のひな人形で最も古く、12日から始まる「ひな飾り展 ひな道具」(北國新聞社後援)で展示される。

 人形は木製の京都風の古今びなで、男びなと女びなの2体。当時は人形の目にガラス玉を入れるようになったが、この人形の目は手書きで切れ長の目が描かれており、珍しいという。

 博物館によると、金沢市内の女性宅で代々保管されていたとみられる。女性が昨年12月、「手元に置いておくのが難しくなったので、博物館に置いてほしい」と寄贈した。

 博物館が調べたところ、前田斉泰の子どもが生まれていた1830年代に、この女性の4代前の高祖母に当たる人物が、金沢城で乳母をしていたことが分かった。

 この人形は男びなが高さ約39センチ、女びなが約37センチ。当時は「寛政の改革」の贅沢禁止令によって、庶民が持つひな人形は高さ24センチ以下に決められていた。これらの点から、博物館の東條さやか学芸員は「1800年代前半に作られたとみられる。当時の庶民の人形より大きいことから、加賀藩ゆかりの人物のために作られた可能性がある」と推測する。

 ひな飾り展では、この人形とともに1860年代製とみられる人形や、明治から昭和にかけて作られた人形約200点を飾る。東條学芸員は「時代によって変わってきたひな人形の特徴や飾り方を見て楽しんでほしい」と話した。4月10日まで。

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