べんがら壁の町家に飾られたひな人形=観音町1丁目の多華味屋

べんがら壁の町家に飾られたひな人形=観音町1丁目の多華味屋

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金澤町家におひなさま 3月8日の記念日に向け、カフェや情報館5カ所

北國新聞(2022年2月15日)

 3月8日の「町家の日」に向けて、金沢市内の金澤町家5カ所で明治~昭和期のひな飾りを展示する試みが始まった。金沢では、旧暦の桃の節句である4月3日まで人形を飾ることが多いため、今月から4月上旬まで設置する。世代を超えて大切に受け継がれてきたひな人形に光を当てるとともに、歴史ある町家へ訪れるきっかけをつくる。

  ●初企画、巡るきっかけに

 町家の日は、3月を意味する英語「マーチ」、8日を「ヤ」として「マチヤ」と読ませる語呂合わせ。京町家情報センター(京都市)が日本記念日協会に申請し、認定記念日に登録された。

 町家の日普及実行委員会が全国各地へ「町家の日」に合わせたイベント開催を呼び掛け、金沢では「金澤町家のおひなさま」を初めて企画。町家カフェ「豆月(まめづき)」(東山2丁目)の北出美由紀さん(50)が中心となり、各店や施設が飾っているひな人形を連携して発信することにした。

 江戸末期の町家を再生したカフェ「多華味屋(たかみや)」(観音町1丁目)では、きらびやかな7壇のひな人形を設置。落ち着いた赤色のべんがらの壁と調和し、華やいだ雰囲気を醸し出している。

 人形は、カフェを経営する髙宮ゆかりさん(54)の母が初孫のめいの健やかな成長を祈って贈ったもの。近年、自宅に眠ったままになっていたため、カフェで飾ることした。

 このほか、金澤町家情報館(茨木町)では明治の内裏びなを展示。岩本清商店(瓢箪町)、コラボン(安江町)でも実施しており、町家を巡り、大小さまざまな人形の顔立ちや装飾を見比べることができる。

 豆月では、自身と姉のひな人形を床の間にしつらえた北出さん。「ひな人形は町家と同じように、持ち主の記憶や思いが重なっている。訪れた人たちが昔ながらの空間で、おひなさま談義に花を咲かせてほしい」と呼び掛けた。

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