ニンジャブルーの試作品を確認する木戸口さん=大額3丁目

ニンジャブルーの試作品を確認する木戸口さん=大額3丁目

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金箔ジーンズ、米デビュー 金沢・大額のマジックが新ブランド「ニンジャブルー」

北國新聞(2022年2月20日)

  ●倉敷の事業者と共同、7月発売へ

 新たなブランド名は「ニンジャブルー」。金沢市大額3丁目の衣料品店「MAGIC(マジック)」は7月にも、国産ジーンズ発祥の地とされる岡山県倉敷市の事業者と共同で、金沢箔(はく)を使って装飾したジーンズを本場・米国で売り出す。片町から現在の場所に店舗を移して5年。木戸口智一社長(53)は伝統工芸を看板に額から世界に発信したいと意気込んでいる。

 木戸口さんは約30年にわたって、市内でジーンズの専門店と修繕工房を経営してきた。2017年に構えた現在の工房には北陸で唯一のジーンズ専用ミシンがあり、北陸のジーンズマニアにとって、お気に入りの逸品をよみがえらせてくれる数少ない場所となっている。

 木戸口さんは17年に、ジーンズのポケットに金沢箔を貼り付けた「金箔ジーンズ」を米国最大級のアパレル展示会に出展、来場者の反応も良く、商品化の計画を練ってきた。

 しかし、コロナ禍で計画は一時頓挫。コロナ不況の影響は国内のジーンズ業界全体に及び、金箔ジーンズの製造で連携していた倉敷でも、複数の職人が廃業を余儀なくされたという。

 木戸口さんによると、日本製ジーンズはファッション性があり、職人の修繕の技術レベルも高いため、米国でも人気だという。ビンテージ品に使われる60年前の生地を再現できる機材が日本にしか残っていないこともあり、感染拡大前は商品購入を目的に来日する人も多かった。

 コロナで打撃を受けた業界に新たな流れを作り出したいと、木戸口さんは金箔ジーンズの耐久性を改良。米国人にとって日本をイメージしやすい「ニンジャ」を組み込んだ独自ブランドの設立を決めた。

 金沢箔は木戸口さんが開発した技術で貼り、当面は後ろのポケットを中心に加工する。価格は2万円からに設定し、今後、家紋や動植物、漢字などをデザインした特注品、ズボン全体を金箔で覆った「黄金のジーンズ」も用意する予定だ。

 七尾市出身の木戸口さんは「ニンジャブルーを求め、国内外から額に人が集まるようなブランドに育てたい」と話した。

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