写実的な人物画と絵文字を組み合わせた作風などが見る人の想像力を刺激する

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軽井沢でフィリピンの現代美術家個展 欧米で注目のロナルド・ヴェンチューラさん

信濃毎日新聞(2022年2月20日)

 欧米などで注目を集めるフィリピンの現代美術家ロナルド・ヴェンチューラさん(48)の個展が、軽井沢町の軽井沢ニューアートミュージアムで開かれている。ヴェンチューラさんの大規模個展が国内の美術館で開かれるのは初めて。2005年以降に制作した約120点を、雰囲気の異なる六つの部屋に分けて展示している。

 明るくポップな作品が並ぶ展示室にある縦121センチ、横182センチの油彩画「スマイル」は、写真のように精妙に描かれた人物像の目の付近や周辺を顔文字や絵文字が覆う。学芸員の石川なみ乃さん(42)は「ネット社会の絵文字や顔文字があふれる現代を映し出し、人間の感情はもっと複雑であるはずだ―と問い掛けているようにも見える」。

 別の展示室には、構図がフランスの画家ドラクロワの名作「民衆を導く自由の女神」をイメージさせるものの、描かれているのは野球の乱闘シーンや動物という油彩画も。ゴジラをほうふつとさせる怪獣が、人間によって開発に従事させられているような姿をかたどった立体作品もある。

 石川さんは「さまざまな国の影響を受けたフィリピンの出身という立場から、混沌(こんとん)とした社会や文化を俯瞰(ふかん)する視点が感じられる」と話している。4月10日まで。入場料2千円(高校・大学生千円、小中学生500円)。月曜休館。

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