第27回北陸国展(北國新聞社後援)は25日、金沢市の石川県立美術館で開幕し、美術団体「国画会」に所属する北陸ゆかりの作家が、時代の空気を投影させた絵画と写真55点を寄せ、自由な創造の美を伝えた。
本展の国展は、おととしが休回、昨年の95回展は展覧会が中止となった。会場には新作のほか、95回展の入賞作、2年がかりで描き込んだ力作が並んだ。
大作がそろう絵画部は17人が23点を出品。無機質な工場を見つめる少年の上にカラフルな気球が浮かぶ大作は、明るい時代への願いを、花火を表現した作品は夏の夜の美を伝えた。「島」のようにパズルを配置した独自の空間表現を追究した作品も注目を集めた。
写真部は17人が33点を並べ、白糸のような滝の景をとらえた神秘的な一枚などが来場者を引きつけた。入場無料。3月1日まで。