3年ぶりの巡行が検討されている青柏祭の山車「でか山」=2019年5月、七尾市内

3年ぶりの巡行が検討されている青柏祭の山車「でか山」=2019年5月、七尾市内

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3年ぶりにでか山巡行 七尾・青柏祭 保存会、4月決定 「何としても中止避けたい」

北國新聞(2022年3月5日)

 5月に七尾市で行われる青柏祭(せいはくさい)の巨大な山車(だし)「でか山」の巡行が3年ぶりの実施に向け、準備を進めていくことになった。コロナ下で過去2年は中止を余儀なくされたが、でか山巡行を担う3町が実施を前向きに検討することで、4日までに合意した。感染状況を見極めた上で4月上旬に最終決定する方針で、3基のでか山が勢ぞろいする七尾の名物復活へ期待が高まる。

 七尾四大祭りの一つである青柏祭のでか山巡行が行われれば、能登島向田(こうだ)の火祭(ひまつり)(7月)、石崎奉燈祭(いっさきほうとうまつり)(8月)、お熊(くま)甲祭(かぶとまつり)(9月)の開催にも追い風となるとみられる。

 でか山を巡行する鍛冶(かじ)町、府中町、魚(うお)町の代表者らでつくる「青柏祭でか山保存会」が七尾市内で新年総会を開き、開催に向けて準備を進めることを確認した。中村巧会長(77)によると、地元では2年連続の中止で山車の組み立て技術の継承に懸念があり、関係者にアンケートを行ったところ、通常通りの巡行を支持する声が大半だった。

 高岡市では青柏祭と同じく2年連続で中止となっている国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の「高岡御車山祭(みくるまやままつり)」が5月1日に開催されることが決定。こうした動きも後押しとなり、中村会長は「コロナ対策に費用がかかっても、伝統継承のため3年連続の中止は何としても避けたい」と語った。

 でか山の組み立ては各町の若衆が4月の週末ごとに集まって作業をする習わし。コロナ下で人数を最小限に絞り、抗原検査で陰性を確認した上で参加を認めるなど、感染対策を徹底する。感染状況により、観客の制限や展示のみにするといった対応も検討を続ける。

 祭りの目玉となるでか山の巡行は2020年にコロナの影響で戦後初の中止となり、神事のみを執り行った。21年は3町のうち府中町だけが印鑰(いんにゃく)神社前にでか山を組み立てて「飾り山」として展示した。

 コロナの感染が収まれば5月3~5日にでか山が七尾市中心部を練り歩く。中村会長は「でか山を成功させることで、全国の他の祭りの開催にもつながると思う。万全の対策を講じたい」と話した。

 ★青柏祭 七尾に初夏の訪れを告げる伝統行事として毎年5月3~5日に開催される。戦国期に能登守護・畠山氏が京都の祇園祭をモデルに山車を奉納したのが始まりと伝わり、日本一の大きさとされる「でか山」3基が街中を巡行する。1983年に国重要無形民俗文化財に指定、2016年には「山・鉾・屋台行事」の1件としてユネスコの無形文化遺産に登録された。

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