陰陽道や薬師堂に関する古文書や写真パネルなど約50点を並べた企画展=3月8日、福井県おおい町暦会館

陰陽道や薬師堂に関する古文書や写真パネルなど約50点を並べた企画展=3月8日、福井県おおい町暦会館

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名田庄納田終と陰陽道の縁、安倍氏まつわる伝説紹介 おおい町暦会館

福井新聞(2022年3月8日)

 福井県おおい町名田庄納田終(のたおい)区と奥州安倍氏、土御門家(土御門安倍氏)にまつわる伝説や史実を紹介する企画展「納田終の伝説と史実」が、同町暦会館で開かれている。陰陽道や薬師堂(県指定文化財)に関する古文書や写真パネルなど約50点を展示。同区と安倍氏とのつながりを垣間見ることができる。3月31日まで。

 安倍氏は、皇族大彦命を祖とする氏族。飛鳥時代以降、東北地方の豪族奥州安倍氏や、陰陽道宗家土御門家などに分かれていった。納田終区は、土御門家が応仁の乱後に京都から移り住んだ土地で、約120年にわたり陰陽道の拠点となった。

 企画展では、関ケ原の戦い後に土御門家が帰京する際、納田終区に残した厄払いや延命長寿に関する陰陽道の祭文「都状」などが並ぶ。そのほか、同区の神主に同家の祖、安倍晴明の850年忌への参加を呼び掛ける命令書「下知状(げちじょう)」、陰陽道の主神「泰山府君(たいざんふくん)」を祭る社の改修に関する諸経費を記した文書なども展示。同家帰京後も、区民が陰陽道の歴史や文化を守り続けてきたことが分かる。

 奥州安倍氏と区内の薬師堂にまつわる伝説も紹介している。平安時代の豪族、安倍貞任の末孫である石王丸(いしおうまる)は夢のお告げにより野鹿の滝の池で三つの瑠璃玉を見つけ、薬師如来のお体として祭るため増福寺を創建した。建物は焼失と再建を繰り返し、現在の薬師堂になったとされる。2011年に薬師堂で行われた薬師如来像の開帳や、9~10年の修理工事の様子が分かる写真パネルも並べている。午前9時~午後4時半(入館は同4時まで)。小中学生100円、大人200円。期間中は水曜休館。問い合わせは同館=電話0770(67)2876。

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