新潟県小千谷市桜町の人形美術家のタナカ・マサオさんが、小千谷縮を使った錦鯉のオブジェを製作し、販売を始めた。小千谷発祥で「泳ぐ宝石」と呼ばれる錦鯉の模様を、小千谷縮の反物などで表現した。人気を誇る小千谷の二つの特産を組み合わせ、地元の魅力発信に力を入れている。
小千谷市出身のタナカさんは小千谷高校を卒業後、東京の専門学校でグラフィックデザインを学んだ。子ども番組や舞台のスタッフとして働くうちに、立体的な表現ができる人形の魅力にのめり込んだ。1970〜80年代には、NHKの連続人形劇「ひげよさらば」でキャラクターのデザイン・製作を担うなど、教育番組やCMに登場する人形を数多く作ってきた。
90年に小千谷市に拠点を置いてからは、県内企業や自治体などに向けて創作してきた。県のマスコット「トッキッキ」や、県警マスコット「ひかるくん」の着ぐるみを手掛けたほか、小千谷市のイメージキャラクター「よし太くん」の生みの親でもある。
錦鯉のオブジェは「小千谷縮は着物、錦鯉は池という隔たりをなくして、違う見せ方をしたい」と発案。錦鯉のうろこを表現するため、下地にはちりめんを使った。光の反射できらきらとうろこの形が浮かび上がる。
模様は、小千谷縮の生地を切り抜いて貼り付ける。「反物そのものの模様も生かしながら、錦鯉の模様を考えるのが楽しい」と話す。実際に飼ったり、所有したりしている錦鯉の写真を送れば、色合いや模様を再現したオリジナルの「MY(マイ)鯉」も依頼できる。タナカさんは「家に池があるかないかを問わず、屋内で手軽に錦鯉を楽しんでほしい」と話している。
大きさは3種類あり、価格は16センチが1万〜1万5千円、30センチが3万〜5万円、40センチが10万〜15万円。デザインによって価格が異なる。購入は専用サイトから。
問い合わせは、タナカ・デザイン事務所、0258(82)0450。