感染禍の中、郷土の味を多くの人に届けようと、新潟県上越市牧区の「割烹(かっぽう) 新柳」は、伝統の鯉料理や地元の山あいで摘み取った山菜のセット販売を始めた。鯉料理は洗い、甘露煮、鯉こくの3種類。山菜も4種類用意し、それぞれ調理済みで冷凍保存してある。温め、解凍するだけで自宅にいながら、昔懐かしい郷土料理を味わうことができる。
新柳は長引くウイルス禍で客足回復が見通せない中、昨年10月ごろから新たな商品を模索。地元に古くから伝わる鯉料理を販売することにした。
長野県佐久市から取り寄せた鯉を地元のいけすに2〜3カ月ほど放ち、臭みを取っている。鯉の洗いはさっと湯通しし、氷水で締めた刺し身で、コリコリした食感が特徴。甘露煮は缶詰のように骨まで軟らかく、鯉を丸ごと食べられる。味噌(みそ)仕立ての鯉こくは2種類の味噌、酒かすでまろやかな味わいにした。
山菜はウド、フキノトウ、コゴミ、ゼンマイの4種類。雪深い山あいで育った山菜はあくが少なく、素材の風味を生かすため、薄味で味付けしている。
料理長の美ノ輪義男さん(69)は「袋から出してそのまま食べられる。ご飯のおかず、酒のつまみにもお勧め」とPR。見川ゆかり社長は「地元の人にとって鯉料理は懐かしさ、特別感を覚えるもの。上越の方はもちろん、出身者の方に贈り物として購入してもらえるように発信していきたい」と話している。
鯉料理3種類と山菜4種類が2人前ずつ入った「深山のめぐみセット」は9250円。鯉料理セットは5400円、山菜セットは3850円。
2日前までに電話で予約し、店頭で受け取る。郵送は別途送料が必要。新柳の専用サイトでも購入できる。問い合わせは新柳、025(533)5024。