雲を描いた作品を鑑賞する来場者=高岡市美術館

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名作アニメの背景画堪能 「新・山本二三展」開幕

北日本新聞(2022年3月20日)

 アニメ美術監督の山本二三(にぞう)さん(68)=埼玉県=の創作をたどる「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展」が19日、富山県の高岡市美術館で始まった。心待ちにしていた人たちが次々に訪れ、名作を支えた背景画を堪能した。5月8日まで。

 山本さんは、宮崎駿監督や故高畑勲監督とともにアニメ界をリードしてきた背景美術の第一人者。同展は全国巡回展で、高岡が最初の会場となった。宮崎監督の「天空の城ラピュタ」(1986年)や、高畑監督の「火垂(ほた)るの墓」(88年)、細田守監督(上市町出身)の「時をかける少女」(2006年)の背景画や、準備段階のイメージボードなど228点を展示した。

 山本二三展は2012年にも同館で開かれており、今回はその後の新海誠監督作品「天気の子」(19年)の背景画や、故郷の長崎県五島列島を描いた絵画シリーズ「五島百景」など新作約60点を加えた。前回展の関連イベントで山本さんが雲と立山連峰を描いた2点も特別展示した。

 愛用の道具や画材を並べ、制作の舞台裏を紹介。モニター8台を設置し、作品の細部を拡大して魅力を伝える映像も流している。

 午前9時半の開館と同時に親子連れらが訪れ、じっくりと作品を鑑賞したり、宮崎監督作品「もののけ姫」(1997年)の森を拡大したバナーの前で記念撮影を楽しんだりした。

 高岡市二塚小1年の筏井萌百(もも)さんは「好きなラピュタの絵があってうれしかった」と喜び、父の道仁さん(45)は「セル画を一枚一枚重ねて遠近感を出している状況を見て感動した。人を引き付ける描写だと思う」と語った。

 富山市柳町小3年の柳沢慶佑君もラピュタに注目し、弟の奏佑君(同1年)は教科書に出てくる「くじらぐも」(92年)が気に入った様子。母の有希さん(39)は「『もののけ姫』の森は透明感があってきれいだった。たくさん描き込んであり、細かい作業だと思った」と話した。

 同展は市美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会主催。

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