高岡市の金屋町自治会と市、富山大芸術文化学部でつくる「ミラレ金屋町実行委員会」は２０日、金屋町への移住希望者を対象に初の体験ツアーを行った。対面とリモートの２パターンで実施し、着物姿の学生らがガイドを務めた。嶋田一成自治会長は「今回を試金石に、通年開催できるようにしたい」と話している。

　ミラレ金屋町は２０１８年に始まった工芸イベント。着物のファッションショーや工芸品の展示販売などを通じて町の魅力を発信してきた。しかし、新型コロナウイルスの影響で大人数が集まる催しが難しくなり、移住者受け入れに積極的な金屋町での体験ツアーに切り替えた。

　対面ツアーには東京都と石川県から２人が参加した。高岡市鋳物資料館で住民や学生が町の歴史や住環境などを説明した後、千本格子「さまのこ」を設けた家が並ぶ石畳通りや空き家を案内した。東京都の入戸野（にっとの）太さん（５６）は「伝統が残っていて魅力的なまちだ」と語った。

　リモートツアーには４人が参加した。２１日も行う。移住体験ツアーに合わせ、２５日まで富山大芸術文化学部所蔵の工芸作品を町内の店などに展示する。