イート食事券を受け取る購入希望者=金沢市の金沢中央郵便局

イート食事券を受け取る購入希望者=金沢市の金沢中央郵便局

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まん延防止全面解除 割引再開で客殺到 県民旅行割と「イート」食事券

北國新聞(2022年3月23日)

 新型コロナ対応のまん延防止等重点措置が全面解除された22日、県内では約2カ月ぶりに観光・飲食事業者支援事業「県民旅行割」の利用と「Go To イート」食事券の販売が再開された。旅行代理店は予約の電話が鳴りやまず、食事券を扱う郵便局も販売を待ちかねた人でにぎわいを見せた。県は、両事業が終了する4月以降も独自の支援を展開し、切れ目なく事業者の再生を後押しする。

 県内の宿泊施設や旅行代理店には、県民旅行割の予約申し込みや問い合わせがひっきりなしに続いた。

 ほっこく観光(金沢市)には、午前9時半の営業開始前から列ができた。電話も鳴りやまず、1日で350人以上の申し込みがあった。加賀や能登の温泉旅館が人気で、担当者は「予約データの入力が間に合わない」と忙しそうに話した。

 金沢ニューグランドホテル(金沢市)では約50件の予約が入り、従業員が電話対応に追われた。県と金沢市独自の旅行割を併用した当日予約も15件あった。予約対応のスタッフを増員した金沢彩の庭ホテル(同)は100件超を受け付け、加賀市山中温泉の「吉祥やまなか」「かがり吉祥亭」では2万円台のプランを選ぶ県内客が多かった。

 旅行代金から上限1万円を割り引く県民旅行割は、1月に事業が停止されるまでに約57万2千人の利用があった。利用期限は4月28日で、当面は県民のみが対象。県は大型連休後の5月9日から夏休み前まで、全国が対象の「Go To いしかわキャンペーン」を実施する。

 ●ほぼ完売の郵便局も

 「食事券の受け付けはこちらになります」

 午前9時、営業を開始した金沢市の金沢中央郵便局で、専用窓口の従業員が列になって待ち構えていた客を招き寄せた。はがき型の引換券を手にした客は次々と窓口で食事券を購入し、大事そうにかばんにしまった。

 同市小立野2丁目の会社員高橋幸一さん(47)は午前8時35分ごろに一番乗りで並び、2冊を購入した。同僚の歓送迎会などに用いる予定で「感染対策に気を付けながら食事を楽しみたい」と話した。この日は、一部の郵便局で在庫がほぼ完売する盛況ぶりだった。

 イート事業では、1万円で1万2500円分の食事券を利用できる。県によると、用意した120万冊のうち、これまでに約100万6千冊が販売され、21日時点の在庫は約19万4千冊。販売は売り切れ次第終了する。利用期限は5月22日。

 ●終了後も県独自支援

 県は食事券の完売後、独自で「県民飲食店応援食事券」を発行する。1万円で1万2千円分利用できる新食事券を50万冊用意し、夏休み前まで飲食業界を下支えする。

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