若者や観光客が行き交う片町スクランブル交差点=22日午後8時5分、金沢市片町

若者や観光客が行き交う片町スクランブル交差点=22日午後8時5分、金沢市片町

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片町2カ月ぶり乾杯 まん延防止解除、若者ら楽しむ

北國新聞(2022年3月23日)

 石川など18都道府県に適用されていた新型コロナまん延防止等重点措置が全面解除された22日、金沢市片町では深夜も飲食店に明かりがともった。若者や観光客が久しぶりのアルコールを楽しみ、解除に合わせてオープンした店も。再三の時短営業要請に振り回された飲食店関係者は「待ちに待った」「これで終わりに」とにぎわい回復を期待し、店内からは2カ月ぶりに夜遅くまで「乾杯」の声が響いた。

 金沢市中心部の飲食店では22日、時短営業を知らせる貼り紙が一斉に消えた。金大の卒業式が重なり、片町スクランブル交差点には酒類が提供できるようになった午後8時以降も多くの人が行き交った。

 木倉町の飲食店「カドの樽造」は重点措置が明けた22日に合わせてオープンした。店長の山口典正さん(46)は「対策を万全にしながら明るい雰囲気で片町をまた盛り上げていきたい」と話した。

 柿木畠の飲食店「あまつぼ」は満席が続き、団体客の予約も入った。店長の雨坪温子さん(33)は「ようやく解除になり、お客さんにはゆっくりくつろいでもらっている。お酒の売れ行きがいい」と笑顔を見せた。

 金大の卒業式後、サークル仲間と10人で訪れた西田隆誠さん(22)=岐阜県高山市=は「卒業式のタイミングで解除されて友達と心置きなく飲めてよかった」とにっこり。

 片町2丁目の飲食店「燗九郎(かんくろう)」にも多くの常連客が訪れた。店長の島田勝己さん(42)は「久々にしっかり働いて疲れたけど、ようやく仕事ができる喜びを感じた」と語った。

 大津市から家族3人で金沢観光に訪れた竹下春美さん(46)は「きょう解除されてラッキーだった。金沢の料理を堪能したい」とうれしそうに話した。

 一方、金沢中央味食街(片町2丁目)の飲食店「そのちゃん」の店主山崎百合子さん(70)は「これだけ長い間、店を閉めたのは初めて。お客は簡単には戻って来ないのではないか」と不安げだった。

 県内では飲食・観光事業者支援事業「Go To イート」食事券の販売と県民割の利用が再開し、能登や加賀の宿泊施設にも続々と予約が入った。

 ●加賀、能登 宿泊施設に予約続々

 加賀市山代温泉の旅館「たちばな四季亭」は22日、新規予約が30件入った。県民割の予約が全体の8割を占め、今週の土日は客室の7割が既に埋まった。担当者は「いい兆しが見えてきた。4月は昨年の倍ほどの宿泊客数を見込めそうだ」と期待を寄せた。

 県民を対象に宿泊料金の半額を最大5千円割り引く輪島市独自の事業「わじまに泊まろう」の新規受付が22日再開され、初日は100件を超える予約があった。

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