新たに展示された「古塩原湖」の年縞=3月23日、福井県若狭町の県年縞博物館

新たに展示された「古塩原湖」の年縞=3月23日、福井県若狭町の県年縞博物館

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福井県年縞博物館に新展示 栃木の地層標本を追加

福井新聞(2022年3月28日)

 福井県若狭町の県年縞(ねんこう)博物館の常設展示に3月23日、栃木県那須塩原市にある「古塩原湖」の地層標本が新たに加わった。約30万年前の白と黒の層が連続した年縞で、火山の噴火や洪水などさまざまな自然現象の痕跡を確認できる。

 古塩原湖は約33万~30万年前、火山噴火によって地面が陥没してできたカルデラ湖。埋没した後、湖底だった場所が川で浸食され一部が露出している。昨夏北川淳子学芸員らが訪問。発泡ウレタンで表面を固め数百年分をはぎとった。展示品は縦約1・8メートル、横約1・7メートルある。

 古塩原湖の年縞は、春夏は雨によって流された黒っぽい土砂が堆積、秋冬はガラスのような殻を持つ藻「けい藻」が積もり白っぽくなるという。水月湖年縞に比べ縞模様がはっきり分かるほか、火山噴出物で黒っぽくなった層を5カ所確認できる。洪水の発生を示す分厚い灰色の層もある。

 同館の年縞の実物展示は国内外合わせ9点目となった。学芸員は「当時どういう自然現象が起こったか、年縞を見て想像してみてほしい」と来場を呼び掛けていた。

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