トミオカホワイトと呼ばれる白い絵の具を開発し、独特の手法で雪国の風景を描き続けた新潟県上越市出身の画家、富岡惣一郎さん(1922〜94年)の生誕100年を記念した展覧会が、同市本城町の小林古径記念美術館で開かれている。
所蔵作品を中心に、富岡さんの母校、南本町小学校から借りた作品など計50点を展示。初期から晩年に至るまで、追い求めた「白の世界」を振り返るとともに、新たな題材を求めて展開した画業をたどる。
会場には、深い雪に埋まった信濃川を上空から捉えた作品や、長岡や片貝の花火取材を機に挑戦した色彩のある「花火」、休養期間に和紙に墨一色で原生林などを描いた「濃の墨絵」などが展示されている。
学芸員の小川陽子さん(27)は「所蔵品を一堂に展示するのは初めて。作風の変化を楽しんでほしい」と呼び掛けている。
6月19日まで。午前9時〜午後5時。観桜会会期中(3月26日〜4月10日)は無休で、開館時間も午後7時まで延長する。月曜休館(5月2日は開館)。