作品を通して地元作家の熱意に触れる来場者=金沢市の石川県立美術館

作品を通して地元作家の熱意に触れる来場者=金沢市の石川県立美術館

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熱意、清新な感性に触れ 金沢で現代美術展、初の週末

北國新聞(2022年4月3日)

 石川の美術の春の訪れを告げる第78回現代美術展(一般財団法人県美術文化協会、北國新聞社など主催)は2日、会期中初の週末を迎え、金沢市の石川県立美術館と金沢21世紀美術館の両会場は愛好者で終日にぎわった。6部門1108点が並ぶ会場は、地元作家の熱意と清新な感性で満ち、来場者が作品へ真剣なまなざしを向けた。

 洋画、工芸、写真が並ぶ県立美術館は、親子連れや県外客の姿もあり、思い思いに作品と向き合った。

 写真の会場では美術文化委嘱賞を受けた法邑一男さん(金沢)の「煙草(たばこ)吸う老婆」や、一般の部・優秀賞の小此内茂樹さん(七尾)の「羽ばたく」など、光を読み、対象の一瞬をとらえた作品が来場者の目を引いた。

 家族旅行で長野県松本市から訪れた井藤ちとせさん(42)は「写真なのに、絵画のように見える作品に見ほれた。金沢は工芸やアートが身近な土地だということを実感した」と話した。

 写真撮影が趣味だという若松康之さん(62)=金沢市=は「コロナ禍で撮影場所が制限される中で、見応えのある作品が多かった。風景写真の空の割合など構図が参考になった」と刺激を受けた様子だった。

 日本画、彫刻、書が展示された金沢21世紀美術館も来場者が途切れなかった。

 2会場で一般の部の入選作715点と、県美術文化協会の役員・会員による委嘱作391点、遺作2点が展示されている。

 会期は18日まで。入場料は一般千円、高校・大学生600円、小中学生500円。開場時間は午前9時半~午後6時(入場は午後5時半まで)となる。

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