4月の陽気の中、福井県嶺南の各所では続々と桜が花開いている。小浜市中井の妙祐寺では、市指定天然記念物のしだれ桜が満開を迎えた。快晴となった5日は青空に淡いピンク色が映え、春休み中の子どもを連れた家族らが次々と訪れてカメラを構えた。
同寺のしだれ桜は140年ほど前、檀家(だんか)の一人が身延山久遠寺(山梨県)から苗木を譲り受けて植えたと伝えられている。高さ約17メートル、幹回り約2・5メートルで、四方に伸びた枝は大きく垂れ下がり、見上げると花が降り注ぐように見える。
住職によると、大雪や3月中に低気温の日が多かった影響で、例年より1週間ほど遅く満開を迎えたという。見頃は今週いっぱいの見込みで、午後6時半~同9時半ごろにライトアップしている。
1歳の長女を初めて連れてきた近くの20代夫婦は「1本でこんなにきれいなのは見事。来年も見に来たい」と笑顔で写真に収めていた。