金沢市の石川県立美術館と金沢２１世紀美術館で開かれている第７８回現代美術展（一般財団法人県美術文化協会、北國新聞社など主催）と、国立工芸館で開催中の「未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展」（北國新聞社など主催）は８日も、美術愛好者でにぎわった。来場者はまちなかの３会場を結ぶ「美の回廊」を行き来し、地元作家の秀作との出会いを楽しんだ。

　現代美術展の洋画・工芸・写真を展示する県立美術館で、熱心に鑑賞していた梅田喜代美さん（７３）＝宝達志水町＝は「毎年訪れている。今年は工芸館へ陶芸の作品も鑑賞しに行きたい」と話した。友人４人で訪れた八木敏子さん（７２）＝小松市＝は「思う存分、美術に触れた。兼六園を通って次は２１美へ向かいたい」と会場を後にした。

　日本画・彫刻・書が並ぶ金沢２１世紀美術館では、鑑賞者が阿部豊寿さん（金沢市）の書の作品解説に耳を傾けた。次回解説は１１日午後１時から県立美術館で田嶋秀之さん（工芸）が担当する。１８日まで。

　国立工芸館では、日本工芸会・陶芸部会の活動５０周年を記念した企画展が６月１９日まで開かれている。来場者は歴代人間国宝の名品をはじめ、三代徳田八十吉氏、吉田美統氏ら郷土作家の秀作に目を凝らした。