漁具を準備する漁師=白山市の美川漁港

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美川漁港、1カ月遅れで漁開始 土砂撤去で航路確保 100キロ水揚げ「大漁で取り返す」

北國新聞(2022年4月13日)

 白山市の手取川河口で堆積した土砂が航路をふさぎ美川漁港の漁船が出漁できなくなっていた問題で、航路の浚渫(しゅんせつ)が進んだ12日、今季の漁が始まった。例年の3月中旬と比べて1カ月遅い。安全運航できる水深を確保した航路はまだ狭く、工事完了までにはあと10日ほどかかる。出漁時は工事を一時中断してという形がしばらく続くが、漁師らは「シーズン入りが遅れた分を大漁で取り返したい」と意気込んだ。

 県漁協美川支所によると、12日に出漁したのは4月の主力であるイカかご漁などを行う漁船10隻。午前5時ごろから順次出港し、コウイカを中心に約100キロを水揚げした。金沢や小松の市場に出荷される。

 初日の水揚げは少なめで、今後、穏やかな天候が続けば、カレイなどを取る刺し網漁船なども出漁して漁獲量は増える見込み。例年3~4月は書き入れ時で、美川漁港に所属する約30隻が出漁すれば水揚げは1トンに達することがある。

 漁港では漁師がイカを取るかごを漁船に積み込んだり、航路の状態を確認したりする姿がみられた。

 航路が大量の土砂で埋まっているのが見つかったのは、2月中旬だった。上流から流れてきた石や砂と、しけで海から押し戻された土砂がたまり、幅約80メートル、長さ約30メートルにわたって、水面の上にまで「島」のように盛り上がった。

 安全運航には航路の水深は2メートル必要で、市は3月10日に浚渫を本格的に始めた。県漁協美川支所は4月1日に出漁できるよう求めていたが、土砂が多すぎて間に合わず、長さ33~39メートルのクレーン車2台が川底の土砂撤去を続けていた。

 ●市、22日の工事完了目指す

 市によると、今年は例年の2倍以上に当たる1万7千立方メートルの土砂除去が必要とされ、約1万5千立方メートルは取り出したという。漁船の航行時は作業を中断しながら、22日の工事完了を目指す。

 米光勲県漁協美川支所運営委員長は「少しでも漁獲量を増やし、地元の魚を多くの人に食べてもらいたい」と話し、市水産振興課は「安全第一に航路の浚渫を続けたい」としている。

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