●桜貝の増穂浦海岸、棚田遺産の笹波...
志賀町観光協会は、町内の観光地や名所を、結婚式の前撮りスポットとして発信する事業を始めた。今年度はカップルのモデルを募集して、春夏秋冬の季節ごとに町の魅力を紹介する写真や映像を仕上げる。来年度に前撮り撮影旅行の受け付けを始める予定で、観光客数が決して多くはない「穴場」の景勝地を里山里海のリゾートウエディングの適地として紹介し、誘客につなげる。
●来年度から撮影旅行受け付け
前撮りにふさわしい場所として協会は、幸せを呼ぶとされる桜貝が見られる増(ます)穂浦(ほがうら)海岸、奇岩が連なる能登金剛の巌門(がんもん)、農林水産省の「棚田遺産」に選定された笹波の田園風景、2つの岩が夫婦のように寄り添う富来七海(ひつみ)の「機具(はたご)岩」などを想定する。
10日には、プロカメラマンや美容室の着付師らが参加し、和装と洋装のモデルによる写真撮影が行われた。「春」をテーマに、遠浅で穏やかな波が打ち寄せる増穂浦海岸と富来の山あいに位置する尊保(そんぼ)の百本桜などを素材として、さまざまなカットを収めた。今後、季節ごとに撮影する写真や動画は協会のホームページなどで公開する。
協会によると、コロナの影響で大きな挙式を控え、フォトウエディングを希望するカップルが増えており、町内を舞台とした「前撮り」プランを来年4月以降に用意する。和装と洋装を選べ、協会が撮影場所を提案し、地元産の食材を使った料理が味わえる会食をセットにすることも検討している。将来的には、カップルの希望に沿った町独自のウエディングプランを手掛ける。
協会は3月28日付で、観光戦略のまとめ役を担う地域DMO(観光地域づくり法人)に観光庁から認定された。岡本明希事務局長は「里山里海の魅力ある地域資源を生かして、訪れたカップルが癒やしを感じられるような手助けをしていきたい」と話した。