郷土の秀作群を通して技と美の感性を高め合う工芸作家と華道家=金沢市の石川県立美術館

郷土の秀作群を通して技と美の感性を高め合う工芸作家と華道家=金沢市の石川県立美術館

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技と美、感性高め合う 金沢で現代美術展、18日まで

北國新聞(2022年4月17日)

 金沢市の石川県立美術館と金沢21世紀美術館で開催中の第78回現代美術展(一般財団法人県美術文化協会、北國新聞社など主催)は会期終盤の週末を迎えた16日も団体鑑賞が相次いだ。県立美術館には金沢市工芸協会、北國いけばな研究会の18人が訪れ、郷土の作家が手掛けた秀作群を通して技と美の感性を高め合った。

 工芸の会場で、市工芸協会の十一代大樋長左衛門理事長が技法や作家の視点を解説した。大樋陶冶斎名誉会長(文化勲章受章者)の茶わんをはじめ、中川衛会長(彫金人間国宝)の象嵌の花器、日本芸術院会員を務めた陶芸家武腰敏昭氏の遺作などを紹介した。

 漆黒のパネルにヒョウを表現し、委嘱の部・最高賞を受けた山元健司さんの作品について「山元さんは、この作品に全精力を費やし、次の作品に移行できなかったと聞いている。これまでと違う迫力を感じる、一番すごい作品だ」とたたえた。

 陶芸の上端伸也さん、染色の鶴見晋史さんが自作を紹介する場面もあった。北國いけばな研究会の上田嶺和代表幹事は「創意工夫、真摯(しんし)な姿勢に刺激を受ける。工芸の作り手とのご縁がある石川に居ることを幸せに思う」と語った。

 会期は18日まで。県立美術館で洋画、工芸、写真、金沢21世紀美術館で日本画、彫刻、書を展示している。入場料は一般千円、高校・大学生600円、小中学生500円となる。

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