金沢美大2年の河野はなさん(19)=金沢市笠舞2丁目=が24日までに、河北潟干拓地を望む内灘町湖西の洋菓子店「ポコ ア ポコ」の敷地に置かれたボートに愛らしい絵を描いた。訪れた親子連れを楽しませる人気スポットとなっている。
店のオーナーである吉田幸子さん(61)が昨年11月、知人を介して河野さんに「ボートを子どもの遊び場に活用したい」と作画を依頼した。長さ3・5メートル、高さ0・8メートルのボートは、河北潟で投網漁をしていた祖父から吉田さんが譲り受けた。
河野さんは大学の春休み期間に、晴れの日を見計らって約1カ月かけて絵を描いた。店から見える牧場を歩くウシや吉田さんが飼うニワトリを描いた。
店舗の周囲は、牧草が伸びると風になびいて波打つ様子が海のように美しいとされ、訪れた客がボートに腰掛けてのどかな風景を楽しんでいる。作品を見た吉田さんは「はなちゃんの優しい心が絵にも現れている」と笑顔で語った。普段は日本画を室内で描く河野さんは、屋外で絵を描く経験が新鮮だったとし、「ボートの上に乗ったり、座ったりして自由に絵と風景を楽しんでほしい」と語った。