花嫁のれんに見入る来場者=七尾市一本杉通り

花嫁のれんに見入る来場者=七尾市一本杉通り

石川県 和倉・七尾・羽咋・かほく 祭り・催し

春の能登、文化で彩り 石川県七尾市・一本杉通りで「花嫁のれん展」開幕 3年ぶり開催

北國新聞(2022年4月30日)

 北陸に伝わる嫁入り道具「花嫁のれん」を集めた「第17回花嫁のれん展」(北國新聞社後援)は29日、七尾市一本杉通りで3年ぶりに始まった。花嫁のれんは「七尾の嫁暖簾(のれん)」として3月に国登録有形民俗文化財となっており、関係者は「親から子へと受け継がれてきた文化を地域で発信していきたい」と熱い思いを語った。

  ●氷見からも集め、45軒に110枚

 一本杉通りの商店や民家では、松竹梅、鳳凰(ほうおう)、宝船などの縁起物をモチーフにした華やかなのれんが一斉に飾られた。氷見市の「ひみ鳳(おおとり)の会」が寄せた20枚を含め、5月8日までの期間中、市中心部の45軒に約110枚が展示される。

 花嫁のれんの風習は江戸時代末期、加賀藩の領地である加賀、能登、越中で武士階級を中心に始まり、徐々に一般市民に広まった。嫁入りする女性が生家から持参し、婚礼当日に嫁ぎ先の仏間などに掛け、くぐることで婚家の一員に認められる。

 商店を訪れた観光客は華やかなのれんに声を上げ、込められた思いや歴史について、女将の説明に耳を傾けた。

 花嫁のれん館前の広場で行われた開幕式では、高澤久一本杉通り振興会長があいさつし、茶谷義隆市長、西田昭二衆院議員、大林重治七尾商工会議所会頭が祝辞を述べた。恒例のオープニングイベントだった花嫁道中は、新型コロナ感染防止のため取りやめた。

 国登録有形民俗文化財の登録には、のれん展の開催など地元の取り組みが評価された。鳥居正子実行委員長は「継続してきたことが認められた点なので、3年ぶりに開催できてとてもうれしい」と話した。高澤会長は「登録は通過点。世代を超えてのれんの文化をつなぎたい」と力を込めた。

えきねっと びゅう国内ツアー

和倉・七尾・羽咋・かほく ニュース

和倉・七尾・羽咋・かほく
イベント

和倉・七尾・羽咋・かほく
スポット