長野市の小田切地区住民自治協議会が、地区内の名勝「小田切八景」の絵はがきセットを販売している。市内の切り絵作家柳沢京子さんに依頼し、小田切八景制定110年記念で制作。1月に地区内の全戸に配ったが地区外からも要望があり、販売を始めた。
小田切八景は1911(明治44)年、住民が近江八景にちなんで8カ所を選定。「小野平の晴嵐」「城山の秋月」などで、県歌「信濃の国」を作詞した浅井洌(1849~1938年)が八景それぞれを歌に詠み、各所に歌碑が立っている。
このうち「富士ノ塔の晩霞」は、夕焼けに薄暗くかすみがかった空を淡い色合いで切り絵で表現。浅井の歌「咲く花を風の心にまかせじと山たちかくす夕霞かな」を絵はがきの表側に載せた。原画は小田切支所に展示している。
住自協は、小田切八景を巡るコースの設定などを検討している。事務局長の柳沢厚史さん(74)は「小田切地区は観光地としては知られていない。小田切八景を目当てに訪れる人が増えてほしい」と話している。
絵はがきは8枚セットで500円(税込み)。1200セット作った。同支所内の住自協で販売するほか、5月8日に長野市中央通り沿いの広場「セントラルスクゥエア」で開くイベント「地域の魅力発信」でも販売する予定。郵送も受け付けている。問い合わせは住自協(電話026・229・1511)へ。