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越美北線存続の力に 鉄道ファンがグッズ300点展示

福井新聞(2022年5月6日)

 JR越美北線を存続させたいと、福井県大野市の鉄道ファンの男性が、趣味で集めた鉄道模型などのコレクション約300点を、同市元町の宿泊施設「荒島旅舎」で5月7、8の両日に展示する。「越美北線を地元から盛り上げ、存続に貢献できれば」と、収益を同線の関係団体に寄付する。

 展示会を開くのは同市日吉町の会社員の男性。幼いころは鉄道を見ると「泣きやんでいた」というほど大の鉄道好き。5歳ごろから鉄道で全国各地を旅行し、鉄道模型や記念切符、記念プレートなどを集めてきた。越美北線は学生時代に通学で毎日のように利用したという。

 同市内の小学生が越美北線を守りたいと企画したイベントの収益金を、昨年12月に市へ寄付したことに感銘を受け、「多くの地元の人が越美北線に関心を持つ手助けをしたい」と展示会を思い立った。

 越美北線は豪雪、豪雨で線路の復旧作業が必要になった時や国鉄民営化の際などに、利用者数が少ないなどを理由に不採算路線として廃線が検討されてきた。特に2004年の福井豪雨では鉄橋や路盤が流失するなど甚大な被害を受けたが、国や県の補助金に加え、地元の募金で復旧にこぎつけた。男性は「廃線になると二度と元には戻らない。観光客向けの利用促進の取り組みも大切だが、地元の人も車に頼りすぎず、積極的に鉄道を利用してほしい」と訴える。

 会場では、越美北線の開業50周年や福井豪雨からの全線復旧を記念して発行された記念入場券セット、JR北陸線開通100周年記念号のヘッドマークなど、コレクションした約300点を展示する。他にも全国各地の鉄道のオレンジカードや模型、記念切符も並べる。

 展示会の経費を除いた収益は、越美北線の利用促進団体「越美北線と乗合バスに乗る運動を進める会」に全額寄付する。時間は午前10時~午後5時。入場料は大人500円、小学生以下200円。

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