3年ぶりの台車の巡行を前に熱気が高まる住民=白山市美川中町

3年ぶりの台車の巡行を前に熱気が高まる住民=白山市美川中町

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「宵宮(よんめ)」で早くも熱気 美川のおかえり祭り、21日開幕

北國新聞(2022年5月21日)

 新型コロナの影響で神輿(みこし)と台車(だいぐるま)の巡行が過去2年中止された白山市美川地区の県無形民俗文化財「おかえり祭り」が21日開幕する。20日夜は「宵宮(よんめ)」と呼ばれる宵祭りが行われ、きらびやかな台車が地元を巡って住民の心を盛り上げた。青年団のOBの団体「美川おかえり祭りを守る会」の会員や青年団員らは地元のこども園を訪れてラッパ演奏などを披露し、港町を早くも祭りの熱気に包んだ。

 宵宮では20日夕、各町の住民が御旅所から台車を引き出し、人形などを飾り付けた。日暮れの頃には台車独特の「ギィー」という音を響かせて台車が町内を一巡。見物した住民は3年ぶりの巡行に心を躍らせた。

 美川中町の斎藤貞明さん(80)は「子どもの頃から大好きな台車の巡行が見られると思うと、とてもわくわくする。当日が楽しみ」と期待に胸を膨らませた。

 美川和波町のみかわこども園では、青年団のOBでつくる「美川おかえり祭りを守る会」の北嶋将光さん(38)や青年団員ら計5人が訪れ、目的に向かう際に吹く「行進」や「集合ラッパ」、神輿を先導するときに吹く「スタンダード」などを披露した。

 見学した園児約70人は「初めて近くで見た」「すごい」などと歓声を上げた。同子ども園では21日、年長児約20人が子ども用の台車を引っ張る。

 おかえり祭りは藤塚神社の春季例大祭で、初日の「神幸祭」は台車13台や神輿が美川地区を練って御旅所に到着する。最終日の「還幸祭」は御旅所からおかえり筋の美川和波町を通り藤塚神社に帰る。

 これまで運営を担っていた美川校下青年団の団員が減少したため、今年から「守る会」が実施主体となる。神輿と台車のルートは東西2通りを設け、1年おきに巡行する。今年は東ルートを通る。西ルートは御幣などを付けた「神籬(ひもろぎ)」が巡る。新型コロナ対策として、21日に祭りに参加する約180人が20日、抗原検査を行って新型コロナの感染がないか確認した。

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