福井県美浜町の久々子湖で採れるシジミについてまとめたリーフレットが完成した。約6千年前から地元で食べられてきた歴史のほか、資源確保のために取り組んでいる漁の工夫や砂浜再生などについて紹介している。
認知度向上につなげよう町が企画。地元漁師や県里山里海湖(うみ)研究所などの話を大きさ約12センチ四方の四つ折りにまとめた。同町や若狭町、地元漁協などでつくる三方五湖世界農業遺産推進協議会が3月末に発行した。
リーフレットでは久々子湖に生息するのはヤマトシジミで、さっぱりした味が特徴と紹介。鳥浜貝塚からはシジミの殻が出土しているほか、湖のコンクリート護岸化などで近年は数が減り、現在「とおし」という器具で小さい貝は逃がしたり生息地となる砂浜を再生したりし、伝統を守る取り組みを続けているとした。
地元ではコロッケやだしの効いたラーメンなどで提供され、住民からも愛されている。「くぐししじみ」としてブランド化を目指しているといい、町の担当者は「多くの人に知ってもらい、町の目玉にしていきたい」と話していた。
リーフレットは美浜町役場などでもらえる。問い合わせは同町産業振興課=電話0770(32)6706。