幕末から明治期にかけて横浜を拠点に浮世絵師や洋画家として活躍した五姓田芳柳(ごせだほうりゅう)の作品を紹介する企画展が新潟市中央区の旧小澤家住宅で開かれている。新潟の名士や古町芸妓(げいぎ)の肖像画など24点を展示。来館者は作品から漂う当時の雰囲気を楽しんでいた。
芳柳は写真を基に人物の表情や着物の陰影を写実的に描く「横浜絵」の手法で知られる。円熟期に入った1885(明治18)年5〜8月、新潟市に滞在し、75枚に及ぶ肖像画を描き上げた。
肖像画を依頼した人名録を、市民サークル「新潟ハイカラ文庫」の笹川太郎さん(74)が明治の一時期発行された「絵入新潟新聞」で見つけ、今回の企画展につながった。新聞紙面も展示されている。笹川さんは「人口が全国一だった当時の新潟の活気や、描かれた人の生きざまを感じてもらえれば」と話した。
6月12日まで。月曜休館。入館料大人200円、小中学生100円。小中学生は土日無料。問い合わせは旧小澤家住宅、025(222)0300。