岡谷市の岡谷蚕糸博物館で展示している練習用だった柱。直径1メートル余で本物さながらの太さだ

岡谷市の岡谷蚕糸博物館で展示している練習用だった柱。直径1メートル余で本物さながらの太さだ

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「模擬御柱」諏訪地域に続々登場 「祭りの雰囲気を感じて」

信濃毎日新聞(2022年7月1日)

 諏訪大社御柱祭は今春の山出し・里曳(び)きの余韻を残し、練習用に使った柱や前回の祭りで使った御柱を観光用に展示する「模擬御柱」が諏訪地域で相次いで登場している。新型コロナの影響で観覧できなかった観光客らに「御柱イヤー」を満喫してほしい―と各地に設置された。4~5月の諏訪大社御柱祭は、新型コロナ対策で観光客が少なかったこともあり、氏子や観光施設は「祭りの雰囲気を感じて」と来訪に期待している。

 上社山出しで木落としが行われるはずだった平均斜度26度、長さ32メートルの坂がある木落(きおと)し公園(茅野市)には、前回御柱祭で前宮二の柱だった長さ9メートルの柱が置かれた。長さ4メートルの丸太「メドデコ」がV字に付けられ、氏子たちが引く綱も近くにあり、祭り本番と同じ勇壮な姿。訪れた福井県勝山市の山内和子さん(79)は「立派な柱で素晴らしい。見られて良かった」と喜んでいた。

 茅野市の宮川に御柱を渡す「川越し」をする場所の近くには、前回の前宮四の柱だった高さ9メートルの柱が建っている。これらを6月下旬に設置した晴ケ峰西山観光協会の伊藤一男会長(82)は「柱を見て勇壮なお祭りを想像してほしい」と話す。

 この他、富士見パノラマリゾート(富士見町)には、富士見地区が練習に使った長さ10メートルの柱がある。岡谷市岡谷蚕糸博物館では、氏子が寄贈した太さ1メートル余りの練習用の柱が観光客らに好評だ。

 諏訪市の観光施設「SUWAガラスの里」の駐車場にも7月中に登場する予定。諏訪地方観光連盟の御柱祭観光情報センターは模擬御柱の情報をホームページなどで発信する予定といい、「見に来て曳行(えいこう)の雰囲気を感じてもらえればうれしい」としている。

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