新潟県阿賀野市安田地区で安田瓦協同組合が再整備を進めていた「やすだ瓦ロード」で、憩いの場「やきもの広場」がリニューアルし、新たなシンボルに鬼瓦の巨大モニュメントが加わった。瓦ロードでは、まち歩きしやすいように歩道を整備したほか、道沿いの案内板や瓦の飾りなども新たに配置した。関係者は「見どころが増え、新しくなった瓦ロードをぜひ見に来てほしい」とPRしている。
巨大鬼瓦は、縦横各約3・5メートル。モルタルのベースに50以上のパーツを取り付け、瓦のかけらもモザイクのように貼り付けている。
長場鬼瓦工場(同市保田)の鬼師、長場(ながば)龍也さん(33)と妻彩香さん(32)が制作した。昨年1月から構想を練り、同9月に制作開始、今年4月に完成した。鬼瓦は粘土で作った後に窯元で焼き上げ、さらに業者による施工と多くの人が関わる。型をとり、パーツごとに制作した。
6月中旬にやきもの広場への設置が完了。長場さんは「鬼瓦は魔よけの意味があり、来てくれる人の安全を願いながら作った。力を合わせて大きなものを完成できたことがうれしい」と話した。彩香さんも「当初のイメージよりも迫力ある仕上がりになった。瓦ロードに来たことがない人もモニュメントを目印に来てもらえたら」と願った。
モニュメントがあるやきもの広場は、広さ約1千平方メートルで、昨年9月から工事を進めていた。瓦を内外にふんだんに使ったトイレと駐車場、休憩できるあずまやも整備。今後は登って楽しめる瓦ぶきの屋根も設置する予定だ。
ほかにも、村秀鬼瓦工房のてんぐなどのモニュメントや、瓦を使った埋め込み飾りなどを道沿いに配置した。道路の歩道は色分け表示され、迷わず安全に散策できるようになった。
また、組合が昨年、地元の安田小児童など市内外の人に制作を呼びかけていた「ミニ鬼瓦」が目標の1万個を達成。瓦ロードに一部を飾り始めている。
やすだ瓦ロードの整備は、安田瓦協同組合が2021年度から3カ年計画で進め、本年度は体験や学習ができる産業観光PR施設の建設などを予定している。