飯山市瑞穂の小菅地区に伝わる国の重要無形民俗文化財「柱松柴燈(はしらまつさいとう)神事」が17日、地元の小菅神社で行われた。3年に1度、境内に立てた2本の柱松に火を付け、天下太平か五穀豊穣(ごこくほうじょう)か占う伝統行事。多くの観衆が見守る中、今年は天下太平の柱松(はしらまつ)に先に火が付いた。
雑木などを材料に組んだ柱松は高さ約4メートルで、「上(かみ)」と「下(しも)」の2本がある。それぞれで若衆が「松神子(まつみこ)」と呼ばれる男児を引き上げ、火打ち石で頂上のススキの穂に点火。その後に約50メートル離れた「休石(やすみいし)」に松神子を連れて行き、到着の早さを競う。「上」が勝てば天下太平、「下」が勝てば五穀豊穣になるとされる。
太鼓の合図とともに点火作業を開始。すぐに火が付かず、観衆から「頑張れー」との声も。開始から約15分後に「上」の柱松から白い煙と火が上がると、拍手や歓声が起こった。
ロシアがウクライナに侵攻して世界情勢が不安定化しているとあって、娘2人と神事を見守った長野市の会社員広瀬圭子さん(46)は「戦争がなくなり、子どもたちが安心して暮らせる世の中になってほしい」と願っていた。