和紙の特性を生かした日独の現代美術家の作品が並ぶ展示会=4日、越前市の卯立の工芸館

和紙の特性を生かした日独の現代美術家の作品が並ぶ展示会=4日、越前市の卯立の工芸館

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日独19人の現代美術作家、抽象画や造形を越前和紙で表現 越前市の「卯立の工芸館」

福井新聞(2022年7月21日)

 ドイツと日本の現代美術作家による越前和紙を使った作品展(福井新聞社後援)が、福井県越前市の卯立の工芸館で開かれている。ドイツ人4人と、県内在住やゆかりの15人が計約50点を出品。和紙の特性をさまざまなアイデアで生かした抽象画や造形を披露している。7月24日まで。

 イスラエルの現代美術作家ドロン・エリアさんと丹南地域の作家との長年の交流から2017年、ドイツで越前和紙を使った作品の展覧会が開かれた。さらに越前和紙を広めようと昨春と今春、ドイツの作家を招いての交流展を企画したが、新型コロナウイルス禍のためともに延期となった。このため今年はドイツから作品を送ってもらい「ドイツ人作家による神和紙の表現展+日本人作家展」と銘打ち開くことにした。

 越前和紙を美しさと強靱さから「神がかり的な和紙」と位置づけている。和紙は西洋絵画のキャンバスと違い、しわを付けたり絵の具を裏写りさせたり、造形にしたりと活用の幅が大きいのが特長という。

 ナンジャ・ヘイドさんの絵画は、ミシンを使い糸で線を描いている。手書きの線とはひと味違う変幻自在な表現が特徴。ティルマン・ロザーメルさんの作品は黒の濃淡による水墨画のようなタッチで、躍動感があふれている。朝倉俊輔さんの墨による作品は、裏側から描き裏写りさせることで偶然性を生かした表現を引き出している。

 午前9時半~午後5時。毎週火曜日休館。入館料は「紙の文化博物館特別展」開催のため大人300円、高校生以下は無料。

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