アナグマの毛皮をまとっただけのスタイルで、参加者と丸木舟作りを楽しむ雨宮国広さん=津南町下船渡のなじょもん

アナグマの毛皮をまとっただけのスタイルで、参加者と丸木舟作りを楽しむ雨宮国広さん=津南町下船渡のなじょもん

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石おので丸太を削る「縄文大工」 舟作り体験・津南町

新潟日報(2022年8月19日)

 縄文時代の人々が航海などに使っていた、丸太をくりぬく「丸木舟」を作りながら全国を巡っている雨宮国広さん(53)が新潟県津南町を訪れ、制作作業を兼ねた体験教室を開いた。会場の農と縄文の体験実習館「なじょもん」では、飛び入りを含む約30人の参加者が縄文人同様に石おのを使ってスギの丸太を削り、舟の形に近づけた。

 雨宮さんは山梨県在住の大工で、宮大工の経験もある。縄文人が活用した石おのの魅力にはまり、2009年から「縄文大工」と称して丸木舟や住居復元などの活動を続けている。19年に国立科学博物館チームが行った、3万年前の航海を検証する実験で使われた丸木舟も制作した。

 丸木舟作りプロジェクトは、「Jomon(じょーもん)さんがやってきた」と銘打ち、6、7の両日に開かれた。万物の命を尊重し、自然との共生を続けたとされる縄文人を手本に、「人類を含む地球上の全ての生き物が楽しく仲良く面白く暮らせる、持続可能なものづくり」(雨宮さん)を実践するのが目的だ。

 今夏から1年かけて全都道府県を巡り、現地の子どもらと丸木舟を少しずつ作り上げていく。北から南を目指す全国ツアーは7月2日に北海道でスタートし、6道県目として新潟県入りした。

 雨宮さんは、日焼けした体の腰にアナグマの毛皮をまとっただけの"縄文スタイル"で臨んだ。初日の6日は、スギの命を犠牲にして舟を作る意味を考える紙芝居を披露した後、糸魚川市で採集した蛇紋岩を素材にした石おの作りを手ほどきした。

 翌7日は、完成した石おのを使い、長さ9・8メートル、幅と高さ共に1・1メートル、重さ3トン超のスギ材の船体を参加者が少しずつ削っていった。雨宮さんは「うまさや速さよりも、命への感謝の心を込めて優しく削ることが大事。それができると、不思議とけがもしない」と強調した。

 長岡市から訪れた中学3年生(15)は「思っていたより楽しい。石おのは重いけど、削るたびに木の表面がめくれていく様子が面白い」と話した。

 丸木舟は23年7月、沖縄県で完成する予定。試乗体験教室や日本一周航海も計画する。プロジェクトのドキュメンタリー映画「みんなのふね」も制作。一連の活動資金をクラウドファンディングで募集している。

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