南砺市在住の彫刻家で日展作家の横山丈樹さんの個展「空(くう)する、時(とき)する 横山丈樹展」が20日、同市法林寺(福光)の福光美術館で始まり、風化し朽ちていくものの中に美を見いだした彫刻作品20点が並ぶ。10月17日まで。
横山さんは、祖父が日展評議員などを歴任した故初代横山一夢さん、父は二代一夢さんという工芸の家系に生まれた。金沢美術工芸大と富山大大学院で彫刻を学び、1995年に初入選した日展をはじめ、県展や日彫展などで入賞を重ねてきた。
地元では初の個展で、新作の「刻跡」をはじめ日展受賞作などが並ぶ。2019年の改組新日展特選の「対(つい)の月」は淡い昼の月と、輝く夜の月の違いを男女の体に見立て、トルソー(胴体部分の彫刻)で表現した。FRPやブロンズ、クスノキなどさまざまな素材を扱い、造形力が光る作品が訪れた人の目を引いていた。
開会式で田中幹夫市長があいさつし、関係者らがテープカットした。横山さんによる作品解説もあった。北日本新聞社共催。