ベニヤの壁に下地剤を塗る柳さん。手前は豊地区を散策して描いたスケッチ=9月5日、福井県鯖江市上野田町のカフェ「ラシーク」

ベニヤの壁に下地剤を塗る柳さん。手前は豊地区を散策して描いたスケッチ=9月5日、福井県鯖江市上野田町のカフェ「ラシーク」

福井県 鯖江・武生・越前海岸 祭り・催し

大学生が寝泊まり創作没頭 鯖江市で「河和田アートキャンプ」

福井新聞(2022年9月6日)

 福井県鯖江市の「河和田アートキャンプ」に訪れている県外の美術系の学生たちの創作活動が本格化している。同市上野田町の古民家カフェでは9月5日、京都の大学生2人が豊地区の風景を取り入れた壁画の制作と、食物アレルギーについて学ぶワークショップの準備に没頭していた。2大学22人の学生がキャンプで制作した作品の展示会や催しは17、18の両日、市内各会場で開かれる。

 築100年超の古民家を改装したカフェ「ラシーク」で熱心に筆を動かしていたのは、京都精華大2年の柳さん。カフェオーナーのの賛同を得て、11月のリニューアルオープンに向け改修中の店内の壁に絵を描くことになった。

 日本画が専門という柳さんは9月1日に鯖江入りし、豊地区一帯を散策。壁画の下絵となるスケッチを作成し、印象的だったという瓦屋根や田んぼの風景を描いた。5日は"キャンバス"となる縦約2メートル、横約4メートルのベニヤ板に、アクリルを定着させるための下地剤を塗り込んだ。「古民家ならではの落ち着きは邪魔せず、いろいろな人が楽しめるような明るい壁画にしたい」と意欲をみせる。17、18日に同店に飾る。

 一方、同大1年の学生はアートの枠を超えたワークショップイベントを18日、ラシークで開く。自身を含むアレルギー体質の人たちが外食時に感じている不便と悩みを知ってもらいたいと、アレルゲンフリーのスイーツなどを振る舞う予定。製菓衛生師の資格を持つカフェオーナーに教わりながら、卵と乳製品を使わない豆乳のドーナツを試作し「初めて尽くしだけど、大人も子どもも楽しく盛り上がれるイベントにしたい」と話した。

 河和田アートキャンプの開催は3年ぶり。8月12日以降、京都精華大と大阪芸大の学生が順次鯖江入りしている。今年は「さばえCross Art(クロスアート)」と題し、河和田、豊、神明地区の古民家や交流拠点計6カ所で活動を展開する。学生たちは河和田、豊両地区の2カ所の交流拠点に寝泊まりし、地域住民と交流しながら作品を制作。河和田地区伝統の漆器を取り入れたプロジェクトも進められている。

えきねっと びゅう国内ツアー

鯖江・武生・越前海岸 ニュース

鯖江・武生・越前海岸
イベント

鯖江・武生・越前海岸
スポット