福井県小浜市の第三セクター、まちづくり小浜は、国の重要伝統的建造物群保存地区「小浜西組」などの歴史的町並みを観光に生かし、まちづくりにもつなげようと、１１月１２、１３日に小浜西組を中心とするエリアで「まち歩きマルシェ」を初めて開く。既存店に加え、空き家となっている町家を活用して飲食や物販事業者の出店を募り、海の幸や買い物をぶらりと楽しめる空間をつくる。

　市内の歴史的町並みの保存活用に取り組む団体などでつくる若狭おばま歴史文化活用観光協議会（事務局まちづくり小浜）は本年度、観光庁の「歴史的資源を活用した観光まちづくり事業」の採択を受け、現状調査や観光戦略グランドデザインの策定などに取り組む。

　事業の一環として、小浜西組を中心とするエリアの飲食や物販の店数を増やし、観光地としての魅力強化や地域活性化を盛り込んでいる。マルシェはその第一段階として、"お試し"で事業者に出店してもらい、誘致につなげたい考え。

　マルシェを開くエリアは、同市まちの駅・旭座から三丁町までの約１キロ周辺、約２０店の出店を想定している。飲食は海産物を使ったメニューを提供できる事業者を、物販は業種問わず幅広く募っている。

　近年課題となっている空き家対策の意味合いもあり、今後実際に空き家に事業者を誘致し店を開いてもらうことで、景観保護や町の魅力向上を目指す。

　まちづくり小浜の社長は「小浜は面的に昔ながらの町並みが残り、全国で見ても貴重。その町並みを守りつつ、もっと観光で巡り歩きをしてもらえるようにしたい」と話している。

　マルシェの出店については同社で相談を受け付けている。問い合わせは同社＝電話０７７０（５６）３３６６。