市政85年を迎えた福井県敦賀市誕生に関する資料などが並ぶ特集展示「敦賀市ができるまで」=福井県敦賀市立博物館

市政85年を迎えた福井県敦賀市誕生に関する資料などが並ぶ特集展示「敦賀市ができるまで」=福井県敦賀市立博物館

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市政85年、近代敦賀の歩みを特集 敦賀市立博物館

福井新聞(2022年9月8日)

 近代の福井県敦賀の歩みを紹介する特集展示「敦賀市ができるまで」と「大和田家と大和田銀行」が9月11日まで、市立博物館で開かれている。市政85周年を迎えた市の成り立ちと近代の敦賀の発展を支えた大和田家にまつわる資料計43点を紹介している。

 1871(明治4)年7月の廃藩置県から4カ月後に若狭地域と敦賀、南条、今立郡を合わせた敦賀県となり、73年には足羽県と合併してほぼ現在の福井県域が敦賀県となった。76年には嶺南、嶺北に分かれてそれぞれ滋賀県、石川県に合併されたが、81年に再び嶺南、嶺北が合わさり現在の福井県に。1937(昭和12)年には敦賀町と松原村が合併して敦賀市となり、55年に東浦など5村が合併して現在の市となった。

 特集展示では明治時代の「福井県敦賀郡地図」や、敦賀町と松原村の合併に関しての申し合わせ事項などを記した約定書などを紹介。東浦村の農村計画「村是」ではかんきつ類の栽培拡大について記されており、「東浦みかん」の黎明(れいめい)期がうかがえる。

 市政15周年の52年に完成した市歌は、現在の野坂岳ではなく天筒山についての歌い出しになっているなど5村合併前であることがしのばれる。

 また、大和田銀行本店本館完成95周年を記念した特集展示「大和田家と大和田銀行」では、同銀行創設者で敦賀港開港運動など近代敦賀の礎を築いた2代目大和田荘七の関連資料が中心で築港記念茶器や銀行図面もある。同銀行の建物は、現在の市立博物館として使われており、2017年に国の重要文化財に指定された。

 学芸員は「近代敦賀に欠かせない大和田荘七と敦賀市ができるまでの歴史を知ってほしい」と話している。

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