指導を受けながら笛の練習に励む濱崎さん(左)=9月9日夜、福井県小浜市大宮

指導を受けながら笛の練習に励む濱崎さん(左)=9月9日夜、福井県小浜市大宮

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放生祭出演へ県外学生、笛や三味線けいこに熱

福井新聞(2022年9月14日)

 伝統の祭り囃子(はやし)方に学生"助っ人"-。9月17、18日に福井県小浜市で3年ぶりに開催される放生祭(ほうぜまつり)に、地元住民と協力して地域課題解決に取り組む市の事業「小浜Rキャンプ」に参加している楽器経験者の大学生2人が、囃子方の一員として出演する。新型コロナウイルス禍で規模は縮小となったが「伝統の名に恥じない演奏をして、他の区の分も盛り上げたい」と気持ちを高めている。

 放生祭は小浜地区の24区が隔年で半数ずつ出番となり、山車、獅子、神楽、大太鼓の各出し物や神輿が巡行する。今年は感染状況を考慮して辞退が相次ぎ、山車の清滝と酒井、大太鼓の大宮の3区のみ巡行となった。山車の飛鳥区は、巡行はしないが区内と八幡神社で披露する。

 Rキャンプの学生は大学の夏休みに合わせ8月から9月後半まで市内に長期滞在しており、祭関係者が出演を持ち掛けた。京都工芸繊維大3年の濱崎さんが大宮区で笛を、関西大4年の立田さんは飛鳥区で三味線を担当する。

 濱崎さんは中高6年間吹奏学部に所属。演奏してきたクラリネットを横笛に持ち替え、8月下旬からほぼ毎晩、約1時間半の練習に参加している。出すのが難しい高音を初日にクリアし、本番に向け完成度を高めている。「大宮の太鼓は骨まで震えるように響いて感動する。一緒に演奏すると区の一員になれる感じがして楽しい」と濱崎さん。人口減少とともに区外からも参加者を集める区が増えており、指導する池田さんは「祭の楽しさを下の世代に感じてもらい継承するためにも、こうして若い人が飛び込んできてくれるのはうれしい」と目尻を下げる。

 立田さんは大学で落語研究会に所属し、出囃子で三味線を弾いてきた。8月に練習を始めると難なく譜面を覚え、9月からは区の小学生がたたく太鼓と鐘に合わせて演奏している。立田さんは「外部から参加していいのかな、と正直不安もあったけど、区の人たちに温かく迎え入れてもらったので堂々と弾きたい」と意気込みを語った。

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