福井県敦賀市立博物館所蔵の江戸絵画の中から人気の高い作品を選出して展示する「敦博江戸絵画展～みんなの推しコレクション～」が同館で開かれている。かわいさや美しさが光る個性豊かな９点を展示している。１０月１６日まで。

　２０２０年に、同館の江戸時代の美術を代表する画家、流派の日本絵画コレクションから１０３点を公開した「『ふつうの系譜』おかえり展　ふつうの美しさ―京の絵画と敦賀コレクション―」で行った人気投票で上位に入った作品を展示している。

　投票総数１０３３票のうち、１３３票を獲得し１位に輝いた円山応挙の「狗子図」は雪の上で遊ぶ３匹の子犬を描いている。犬のかわいらしさや柔らかい質感が特徴で、右側の白い子犬は一息ついてリラックスしているように見て取れる。土佐光起の「伊勢図」は平安時代の歌人で三十六歌仙の一人である伊勢が失恋し、傷心を癒やすために竜門の滝（奈良県）を訪れた場面を題材にしている。伊勢の小さく愛らしい姿が繊細な筆遣いで美しく描かれている。

　１４５人のお多福をぎっしり詰め込んだ岸礼の「百福図」や猿のリアルなふわふわ毛並みが目を引く森狙仙の「蜂猿図」なども並ぶ。

　土日祝日限定で展示作品に関するクイズイベントもあり、参加すると絵はがきや缶バッジなど同館オリジナルグッズがプレゼントされる。